法事・法要の僧侶の派遣サービスをネットで定額販売

僧侶の定額出張派遣サービスは葬祭の常識破壊

僧侶の写真運営は「シンプルなお葬式」の運営会社

インターネットメディア運営会社の「株式会社みれんび」は、定額のお葬式「シンプルなお葬式」などを運営し、葬儀業の常識に挑戦していますが、新たに法事・法要に際して全国一律で僧侶を派遣するする「お坊さん便」の取り扱いをネットショッピング大手のamazonで2015年12月8日から行っています。

内容と費用

商品内容:葬儀を除く主要な法事・法要での読経、法話
価格:35,000円(税込)
墓前などの自宅以外の場所で法要する場合は、10,000円加算

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背景に菩提寺との関わりの減少

「お坊さん便」は、戦後の経済成長時に地元を離れて都会に働きに出で、そのまま住居を定めたり、転勤先に住居を定めたことにより、菩提寺と疎遠になり、いざというときに、『法事・法要などで読経をしてもらいたいものの、頼めるお寺がない』『お布施の金額の相場が分からない。』という方が増えている社会的背景をもとに、インターネットを通じて、全国へ定額・追加料金なしでお坊さんを手配するサービスです。

お寺の檀家の減少と収入の減少

なお、現在の提携僧侶は400名で、単純計算では1都道府県に8~9名で十分とは言えませんが、提携を希望する僧侶からの問い合わせも増えているそうです。僧侶としても、葬儀の簡素化、檀家の減少が続きお寺の維持も難しい状況から、新しい活路を見出す必要があるのでしょう。

定額僧侶派遣サービス「お坊さん便」の特徴

「お坊さん便」の特徴としては、
・定額・追加料金なしで安心
一般の法事・法要の様に「お布施」の他に「お車代(お足代)」、「お膳料」及び「心づけ」といった費用は必要ありません。
・ほとんどの宗派の僧侶を手配できる
・地域の相場を気にする必要が無い
・一度だけでも利用できるので、菩提寺の様に毎月の管理料等の費用が発生しない
などが考えられる半面、デメリットとして
・葬儀からの一連の流れの中で利用することは難しい
・読経の数が不明で、追加して読経を依頼できるかも不明
・相場よりも値段が高い
・菩提寺がある方は対象外
といったことが有ります。

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仏教界の反応

宗教のビシネス化への反発

一方、仏教界からは、「宗教をビジネス化している」とか、「お布施は、サービスの対価では無い」とし、「お布施は、慈悲の心をもって他人に財施などを施すことで、六波羅といわれる修行のひとつ。見返りを求めないことで自利利他円満の功徳が成就される」と主張しています。

過去の葬儀サービスビジネスは仏教界の勝利?

仏教界は、2010年9月にイオンが定額の葬儀サービスの取り扱いを始めた折、強く反発しイオンの取り組みが大きく後退した商品になった経緯があります。さらに、過去に京都における古都保存協力税の導入に強く反対し廃案に持ち込む等政治的主張が強く出す傾向が有りますが、社会の構造や個々の価値観が多様化し変化する中、ニーズに合った方法が生み出されるのもやむを得ないことの様に感じられます。

既得権益へのしがらみと価格破壊への抵抗

また、価格破壊は相対的価値観の3倍になった段階で発生するといわれいていますが、現在の葬儀料は既に3倍を超えていると思われ、直送が葬儀全体の1/3を超えたともいわれ、静かに価格破壊が進行しているようにも思われます。葬儀に価格破壊が起これば必然的に法事・法要にも影響が出てきます。