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拡大する加計学園疑惑と前川前事務次官証言の信憑性

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加計学園への税金投入は440億円以上

本サイトでも問題化する前から詳細に報告してきた安倍首相とその腹心の友である加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園との癒着に関して、前文科省の事務次官である前川氏の記者会見及びその後の証言が重要性を帯びてきています。加計学園問題は、今治市への獣医学部設置問題だけでなく、宮崎県延岡市の九州保健福祉大学、千葉県銚子市の千葉科学大学及び兵庫県淡路島の吉備国際大学への大学新設に掛かる総額440億円以上の助成金についても、いずれ問題になってくると思われます。

安倍官邸の前川前事務次官潰し疑惑

前川前事務次官については、菅官房長官が人格攻撃ともとれる発言を繰り返す一方、安倍官邸の御用新聞である読売新聞が「出会い系バー」通いを報じ、また、記者会見で前川氏自身が出会い系バーに行ったことを認めました。その際の釈明として、「貧困女性の実地調査」と語ったことから、菅官房長官や読売新聞の印象操作に乗せられ、悪に立ち向かう正義漢のイメージは一気に崩れ、印象はただのスケベ親父レベルまで落とされました。

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安倍官邸の情報操作と読売新聞の捏造記事の可能性

しかし、その後、週刊誌を含めて追跡取材を行ったものの、取材の中で買春等の醜聞は出て来ず期待外れとなるばかりか、熱血漢の様相を帯びるようになってきています。そして、前川氏の記者会見での「貧困女性の実地調査」を裏付ける証言も当事者の女性から出ています。これが、事実だとすれば、政府のマスコミを使った情報操作・印象操作という極めて重大な問題が出てくるとともに、おそらく取材することなく官邸の意向に沿うために記事を捏造したとしたら読売新聞の報道機関としての責任も極めて重大です。

中身の無い読売新聞の記事

読売新聞の記事の中に前川氏が出会い系バーに通っていたということは報じても、本来記事にするのであれば買春があったのか、そして、その出会い系バーで働いたり、前川氏と会ったことのある女性の取材内容も報じてしかるべきです。捏造記事と言えば朝日新聞が得意とするところで、慰安婦問題やサンゴ損傷捏造事件等数多くありますが、読売新聞も過去に事実を捻じ曲げて特定企業を攻撃し、政治力を使って圧力をかけたことがあります。また、最近では福島県楢葉町の松本幸英町長に取材していないのに取材したかのような記事を報じています。また、傘下の読売巨人軍に掛かる不祥事の数々を見ればその体質は歴然としています。

前川前事務次官の人物像

家系と文科省官僚時代の活動

ところで、前川前事務次官どの様な人物なのでしょうか?
前川氏は、世界三大冷凍機メーカーで連結売上1238億円の株式会社前川製作所の創業者で、また、村上春樹氏の小説「ノルウェイの森」の舞台とされる男子学生寮「和敬塾」の創始者でもある前川喜作氏の孫に当たります。昭和55年奈良県で生まれ、麻布中・高校を経て東京大学法学部を卒業、旧文部省に入省し文部行政に携わってきました。2016年6月文科省の事務方トップの事務次官に就任いたしましたが、文科相の不正天下り問題の責任を取る形で2017年1月わずか半年で辞任しています。文科省時代は、朝鮮学校の無償化問題及び日中青年科学者交流を推進する活動も報じられており、一部保守系の批判も浴びています。

一方、反骨心も持ち合せ小泉内閣時の三位一体改革に異を唱え自らの首を掛けて反対するなどの動きも有りました。
前川氏の妹のひとりは中曽根康弘元首相の息子の中曽根弘文氏の妻で、もう一人の妹は東天紅会長夫人です。

官僚時代の同僚の証言

元文科省の官僚で最終職位が文部科学省大臣官房広報調整官で前川氏とは20年の付き合いがあると言われる寺脇研氏は前川氏について次の様に述べています。

寺脇さんは、今回の一連の文科省から流出したとされる文書について、前川氏の「逆恨み」や「腹いせ」で省内の重要文書を漏らす様な方では無いと否定します。寺脇氏によれば、「私が、文科省に入って42年経つけど、前川さんはその間の事務次官では最も人望のある人。(一部省略)前川さんは、バイトの子から地方の研修生まで、全職員から人望がありました。弱い人に寄り添い、常に教育とはどうあるべきかかを考えている。そんな前川さんか逆恨みや腹いせで省内の重要文書を漏らすことは考えられない」と語っています。

約30年間、毎朝4~5時に帰宅して定時に出勤する仕事人間で省内の人望は非常に厚かった。そんな前川氏が自分の身を危険にさらしてでも会見に臨んだのは、強い使命感からでしょう。

そして、寺脇氏は、「彼を慕う文科省職員がマスコミに文書を流したと悟り、役人生命にかけて告発した者のために戦わなければいけないと思ったのでしょう。(後略)」と語っています。

さらに、寺脇氏は前川氏の記者会見を見て、「説明をウソとは思いませんでした。ただ、あまりにも“ストレート”な説明だったので、会見後、『誰が信じてくれるか』と電話したら、『本当のことですから』と。そういう不器用で、バカ正直な面もあるんです」と語っています。

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「出会い系バー」他関係先の証言

25歳アパレル関係女性の証言

週刊フラッシュが出会い系バーで前川氏から声をかけられたという25歳のアパレル店員の女性が証言しています。その内容は、女性が出会い系バーに来るようになったのは、昨年からですが、その時には既に前川氏は店の常連だったようです。だいたい週に1回程度、多い時には週3回程度顔を出していたようです。21時ごろに来て賑わい始める0時前までには帰っていたという。変わった人だなと言う印象だったようです。前川氏から、同席の希望があったのは、昨年の夏ごろだという。

「席に着くと『外に出よう』って。以外に積極的だな、って思った。『お小遣いがもらえるなら』と答えたら、『分かっています』と。」答えたという。近くの焼鳥屋に入って「お酒飲める年齢だよね?」と聞かれたので、「ええ、まあ」と答えた様です。そこで仕事のことや休日の過ごし方など一通りの雑談をしたそうです。
そして、女性の方から、「この後、どうしますか?」と聞いたところ、「何?」と聞き返してきたので、「大人のお付き合い」と言うと、「僕は無いなあ」と断わられ、5,000円を渡されて「遅いけれども気をつけてね」と言われ別れたという。

26歳の百貨店従業員の証言

また、週刊文春では26歳のデパート勤務の女性の証言を記載しています。そこには、驚きの女性の証言があります。
女性と前川氏の付き合いは3年以上で最初に出会ったのは、2011年の冬だといいます。会ったその日に声をかけられ女性の友人と3人で食事に出かけ、その後も複数人で会うことも多かったようです。この時も、10時くらいに食事して0時前には帰って行ったということです。1回だけ渋谷のクラブに行きたかったので、「タクシー代頂戴」と言ったところ、その時に、5,000円くれたそうですが、雰囲気としては、「もう帰りなさい」とタクシー代をくれる感じだったようです。女性の知人たちも10人ほど紹介したようですが、「仕事はどうするんだ」とよく声を掛けていたとのことです。この女性の友人が亡くなったために、勉強に身が入らなくなり大学を辞め、キャバ嬢になると行った時には、怒られて「親も心配しているんだから、早く就職した方がいいよ」と諭してくれたようです。その後も相談に乗り、高級ブランドの店員になりたいと言ったら「手っ取り早いのは百貨店の店員になることだ」と助言し、実際女性は百貨店で働くようになった様です。それからも、「授業参観」と言って度々顔を出して励ましてくれたようです。

また、同じころに就職が決まった友人も誘って就職祝いもしてくれたようです。女性は母親にも前川氏のことを話しており、悩んだりしていたら「前川さんとご飯に行きなよ」とか、「結婚したら前川さんを結婚式に呼びなよ」と言うほど信頼を得ているようです。この女性は、前川氏と30~40回ほど会っているそうですが、肉体関係を示唆されたり口説かれたことは全くなかったそうです。

26歳の百貨店従業員の友人の証言

また、この女性から前川氏を紹介されたという別な女性は、両親の離婚の問題で相談したところ親身に相談に乗ってくれたと証言しています。

デート場所のダーツバーの元店員の証言

前川氏が前出の女性と良く行っていたというダーツバーの当時の店員は、「よく3人で来ていました。若い女性二人と50代のおじさんという組み合わせは珍しくて、僕らも最初は疑っていたんですけど、前川さんが先に帰って、女の子たちがダーツしているという日が多かったので、これは違うなと。僕らの間では、『前川のおっちゃん』と呼んでいました」と話しています。

NPO法人キッズドアの渡辺由美子女史の証言

さら、特定非営利活動法人キッズドアの渡辺由美子氏からは以下の様な証言があります。
「前川氏は事務次官を辞任した直後から素性を明かさずにボランティア活動を開始し、スタッフの方から指摘を受けて存在に初めて気がついたとのことです。前川前事務次官は一般の学生や社会人と同じようにポームページからボランティア説明会に申し込み、その後も説明会や研修でも非常に熱心な態度で活動を続けていた」と言及しています。

渡辺氏は「私たちは、文部科学省というこの国の教育を司る省庁のトップに、強い正義感と真の勇気を持った素晴らしい人物を据える国であり、時に身を呈して、国民のためにたった一人でも行動を起こす、そんな人が政府の中枢にいる国だということは間違いない」と述べ、前川氏の記者会見を評価しています。

そして、今回の騒動で「ご迷惑をおかけするから、しばらく伺えなくなります」とわざわざ連絡するような誠実な方であることは間違いがない、とも述べています。

近寄る安倍強権政治

如何でしょうか?真の前川像はどちらが正しいのでしょうか?判断はそれぞれだと思います。しかし、真実が歪められ、情報操作や印象操作がされているとしたら怖いですね。法治国家と言うより、警察国家と言われても仕方ないかもしれません。

安倍官邸と極めて近いジャーナリストの山口敬之氏に対する準強姦罪不起訴に、安倍官邸が司法介入した疑惑も報じられており、今この国は極めて危険な方向に進んでいるのではないでしょうか。

健全な保守野党の存在せず、1強の政党のもとでは奢りや強権力の発動は、民主主義に優先し無力なのかもしれません。民進党が左翼主義者を排除して保守政党として成長しなければ、このまま悪い方向に進むかもしれません。もしくは、自民党の中に政党内野党として反主流派が育つ環境があるかどうかですが、良識派と言われた三木派の流れを組む山東派が麻生派に吸収されましたので無理かもしれません。

安倍強権政治にくさびを打ち込むのに、東京都議選がきっかけにでもなれば良いですが・・・。しかし、政治の素人が多数当選しても別なジレンマを抱えることになりますので難しいです。

一部記事参考:
週刊フラッシュ
週刊文春