大西英夫議員が「(がん患者は)働かなくていい」発言を認める
目次
大西英夫衆議院議員の問題発言の内容
大西議員が問題発言を認めるまでの経緯
5月15日の自民党の厚生労働部会で、三原じゅん子参議院議員が発言している際に、「(がん患者は)働かなくていいんだよっ」と発言した議員が誰かと憶測をよんでいましたが、推測されていた大西英夫衆議院議員が発言の事実を認めました。
大西議員は、各報道機関の取材に対して、発言を頑なに否定してきましたが、部会に出席した多くの議員から大西議員の名前が出た他、三原議員も大西議員の可能性を語っていました。しかし、5月20日のフジテレビの報道番組Mr.サンデー宛に複数回ファックスで回答し、最終的に発言を認めました。また、大西議員のホームページでも認めたうえで釈明しています。
当初は、Mr.サンデーの取材に対しても発言を否定していましたが、音声の記録があることが判明したために観念したようで、発言そのものは認めつつ趣旨が違うとの反論に切り替えたようです。一連の流れから、往生際が悪く極めて卑劣な人物像が浮かび上がってきます。
しかし、この大西議員の発言は、がん患者や禁煙者に対する侮辱という反面、愛煙家の立場を悪くするということも理解していないようです。また、最近の自民党議員や閣僚の相次ぐ失言は1強時代の自民党の奢りを象徴しています。
大西英夫議員の問題発言の状況
問題の発言は、5月15日の自民党の厚生労働部会で三原議員が、
「・・・がんでも、一生懸命働いて就労している患者はいっぱいいる。そんな中、がん患者は選べません、お店を、仕事場を。弱い立場の方々がたくさんいる、ということを知ってほしいんです。上司うんぬんの話があったが、がん患者が治療している中で、喫煙してる人がいる中で働くことの苦しさは、どういうものがあるか、是非皆さんに・・・」
と発言している最中に
「働かなくていいんだよっ」
という大きなヤジが飛んだのです。
三原じゅん子議員の反論
「働かなくていいんだよっ」という言葉の主語は発言されていませんので、流れから推測するしかありませんが、三原議員は、がん患者の職場環境について説明しているわけですから、主語は「がん患者は、」であるのは明らかです。考え方によっては、「がん患者は、受動禁煙するような環境の場所では、」とも捉えられますが、そうすると就職先も限定されますし、場合によっては退職をしなければなりませんので、新たな問題が出てきます。
三原議員の凄いというか、機転の利くところは、すかさず
「働かなければいい、という、そんな話がありますか!がん患者はそういう権利がないんですか!?弱い人たちの立場を考えて法案を作っていくのが、自民党の政治家の役割だと申し上げたい。妊娠中の先生方の奥様に煙を吹きかけることができますか?そういうことが先生、ご自身できますか?弱い立場のことを考えて法案をつくることをお願いしたい。」
と、切り返したことです。
三原じゅん子議員のブログの内容(抜粋)
さらに、三原議員は、よほど腹に据えかねたのか自身のブログで
「残念ながら余りにも心無い野次に私は心底怒りで震えました。
当然、厳しく反論いたしましたが、同じ党内でこんな言葉を吐く議員がいるとは、情けないとしか思えない。
一度吐いた言葉は飲み込むことは出来ません!
その方には猛省を促したいと同時に、仲間であるがん患者の皆様に謝罪の気持ちを持って貰いたいと思います。」
大西英夫議員の反論(一部抜粋)
5月15日の厚生労働部会について
こうした中で、5月15日に開催された厚生労働部会において、「(がん患者は)働かなくていい」という発言を私が行ったのではないか、との質問がマスコミ各社からありました。
部会での三原議員とのやりとりの中で私が「(がん患者は)働かなくていい」と発言したとの取材でした。
はっきりと申し上げられることは、「(がん患者は)働かなければいい」という趣旨で発言を私は行っておらず、仮に三原議員がそのように受け取られたとしても、私自身がそういう趣旨で行った発言ではないことはその後すぐに「そういうことは言ってないでしょ」と反論していることからも明らかです。これは音声でも確認されていることです。
私は父母をがんで亡くしました。友人や知人にがんを克服し仕事に復帰している人、治療と仕事を両立している人が身近に多くいます。
そうした方々に敬意を持ち何か力になれないかと思うことはあっても、がん患者の皆様を差別しようなどという気持ちは頭の片隅にもありません。
そうした中で、私がご指摘のような趣旨で、「(がん患者は)働かなければいい」と発言をしたことは絶対にありません。
今回、私の発言が誤解を招き、混乱を呼んだことは私の不徳の致すところです。
日本の受動喫煙対策の大転換期にあって、今回のことを契機に議論が本筋と違う方向へと進むことは不本意であり、議論が本来の受動喫煙対策の在り方という本道に戻ることを望み、今後も受動喫煙対策の議論に取り組むことを申し上げます。
本当に、上記の内容の趣旨だったとするならば、一回発言を否定したことと整合性が取れません。発言したことを即座に認め、趣旨説明をすれば良かったはずです。後で、体裁を見繕うのは政治家の常とう手段です。遅きに失した感が有ります。
大西英夫議員の過去の問題発言
「まず自分が子どもを産まないとダメだぞ!」
とヤジを飛ばしましたが、この時も当初ヤジを否定していたものの、後に認めて上西議員に謝罪しています。
「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番」
と発言。報道と言論の自由を軽視しているとし、党から厳重注意処分を受けました。
「懲らしめなければいけないんじゃないか」と語ったほか、「誤った報道をするようなマスコミに対して広告は自粛すべきじゃないか」
と発言し、厳重注意処分も何処吹く風と意に介していないようです。
「巫女のくせになんだと思った」と発言した上に、「巫女さんを誘って札幌の夜に説得をしようと思った。私は神社関係を中心に回ったが、私の世話を焼いた巫女さんが20歳くらいだった。投票が初めてだということだから、ひとつ口説いてやろうと思った」
などと職業的差別及びセクハラ発言を行っています。
大西英夫議員のプロフィール
昭和45年 國學院大学法学部卒業