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日本の春はさくら

緑のさくら御衣黄の画像

日本の春の象徴「さくら」の季節になりました。桜の季節になりますと、「日本三大桜」や「日本五大桜」などが有名で全国から訪れる方も多いようです。あるいは、近くの桜の名所に花見に出かける方も多いでしょう。

御衣黄(ギョイコウ)と鬱金(ウコン)

ところで、緑色の桜を御存知でしょうか?以前は全国に10ヶ所程度しかないといわれていたものですが、現在は100ヶ所以上確認できているようです。この桜は、「御衣黄」と呼ばれる桜で遺伝的には「鬱金(ウコン)桜」と同じで、枝変わりの関係にあるそうです。鬱金(ウコン)桜も珍しい桜の一種で数百品種ある桜の中で唯一黄色の花を咲かせる桜です。

枝変わりとは、植物の特定の枝の新芽・葉・花・果実などが、成長点の突然変異などによって、その個体が持っている遺伝形質とは違うものになるというです。一ヶ所たけ接ぎ木したように違う花が咲くような現象です。

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御衣黄の見頃と特徴

御衣黄の開花は、ソメイヨシノより遅く4月下旬頃に緑色の花を咲かせます。花が開いたときには緑色でずが、これは葉緑体によるものですが、次第に緑色は薄れて黄緑色から黄色になり、やがて中心部から赤くなります。花の大きさは、場所によってまちまちで、京都市では直径2~2.5cm、北海道の松前町で4~4.5cmと大輪になります。花弁数は10から15程度の八重咲きで、花弁は肉厚で外側に反り返っています。

御衣黄の花の散り方は、八重咲きですので牡丹桜同様に房ごと落花します。ソメイヨシノのように桜吹雪の舞を見せることはありません。

江戸時代に、京都の仁和寺で栽培されたのがはじまりと言われています。「御衣黄」という名前は江戸時代中期から見られ、名前の由来は貴族の衣服の萌黄色に近いためといわれています。古くは「黄桜」「浅葱桜(浅黄桜)」などとも呼ばれていたようですが、御衣黄では無く鬱金(ウコン)桜との説もあります。

花の色が緑色のため、「桜花爛漫たり」というイメージとは程遠く、八重咲きの桜は、一般的に花と葉っぱが同時に開きますので、葉っぱと花の区別も分かり難く華やかさはありません。ただ、趣が感じられる桜です。

東京都の御衣黄の名所

東京都では、東京23区内では皇居東御苑、浜離宮恩賜庭園、新宿御苑、渋谷区東郷記念館、江戸川区雷公園、北区七社神社で見られる他、都下では八王子市の多摩森林科学園で見ることが出来ます。多摩森林科学園は、桜の種類では全国有数で比較的長期に渡って数々の桜を堪能できますので足を運ばれるのをお勧めいたします。