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多発する災害現場での報道トラブル

地震

報道の自由と言う名の暴力

4月21日のTBSの情報番組「Nスタ」で実況中継だからこその放送事故にも匹敵する失態と横暴な取材が明らかになりました。正に、報道の自由を振りかざす暴力です。

中継現場は、今回の熊本地震で震度7を2回記録している震源地となっている熊本県益城町の避難所となっている広安小学校。避難所を訪れた取材陣に対し、大柄な体格の被災者の男性が「撮るなと言った!見せ物じゃない、どっか行け!」と声を荒げ、さらに、避難所の入口付近でインタビューを行っているレポーターに対しても、「撮るな!見せ物じゃない」と続け、「お前らの車は邪魔だ、どかせ」と取材中継車の移動を求めました。

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現場中継は即座に中止され、東京の「Nスタ」スタジオに切り替わりました。スタジオの堀尾正明キャスターは「ちょっとご迷惑になっているようで・・・。すみませんでした」というのがやっとの状態でした。

この件に限らず、撮影禁止や取材禁止となっている避難所に勝手に入ってインタビューしたり、撮影することでトラブルになることが頻発しているようです。正に、報道という名を借りた暴力に等しい迷惑行為です。

関西テレビの報道車がガソリンスタンドで割り込み

また、熊本県上益城郡益城町に住む女性が、取材陣の横暴な態度をTwitterに書き込み話題となりました。
関西テレビ放送(関テレ)の取材車が被災地のガソリンスタンドで、行列を無視して割り込み、割り込みをしないように注意されたにも関わらずそれを無視してまで給油したというもので、取材者としての資質を疑われても仕方がありません。

当日は、ガソリンスタンドは早朝から長蛇の列ができていたといいます。被災しながらも辛抱強く給油を待っている方々を尻目に被災者感情を逆撫でするようでは取材方法では正しい情報を伝えられるとは思われません。

 しかも、この話には落ちがあって、関西テレビ放送と同じグループであるFNN関連放送局の仙台放送の記者が、「自分たちが持ち込んで預けていた燃料である」と嘘の情報をTwitterに書き込んでいました。仮にそうだとしたら、状況によっては消防法や条例の危険物取扱に違反して自家用車で運んできた可能性が有ります。

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取材ヘリコプターによる騒音被害

さらに、取材ヘリコプターの騒音で町内放送が聞き取れず避難等に支障をきたしているとの情報も寄せられています。また、ヘリコプターの音がうるさくてストレスが溜まったり、騒音で救助要請の声が聞こえなくなっているのではないかと懸念する声も有ります。空から被災状況を撮って放送したところでほとんど役にたつことは無いです。放送局の自己満足でしか有り得ません。

報道に名を借りた暴力

3月11日の東日本大震災発生から5年を迎えるに当たっても、各放送局が特集を組み大々的に放送していました。しかし、被災者の中にはPTSDを患いフラッシュバックに悩まされている方も多くいらっしゃいます。ニュースの前、特集の予告、本放送の前には、テロップで震災時の画像が含まれています等を告知する配慮が必要です。むやみやたらに取材したり編集した画像を暴力的に垂れ流すのではなく、未だに見たくない、見ることが苦痛な方が数多く居ることを考えて欲しいものです。