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三菱自動車が不正に燃費データ改ざん

軽自動車の画像提携する日産自動車の調査で発覚のお粗末さ

日産自動車と三菱自動車工業が折半出資で設立したNKMVが開発し、三菱自動車の岡山県水島製作所で生産されている三菱自動社ブランドの「eKワゴン」など2車種と、日産自動車ブランドの「デイズ」など2車種について、燃費を実際より良く見せるためにデータを改ざんする不正が行われていたことが発覚いたしました。 平成25年6月の発売から。平成28年3月末までに計62万5000台が製造販売されていました。

NMKVを通じて提携する日産自動車が独自に燃費性能を調べたところ、三菱自動車から提供された数値との間に乖離が見つかったため、三菱自動車に確認を求め、三菱自動車が社内調査を行いデータ改ざんの不正が発覚したものです。 不正の内容は、タイヤの抵抗や空気抵抗の数値を意図的に操作し、実際より燃費が5~10%程度良くなるよう届け出ていました。

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調査は継続中ですが、担当部署の部長が改ざんを指示したと仄めかしており、改ざんの開始時期、海外向け商品の台数等は今後明らかになるものものと思われます。

過去の三菱自動車工業の不正

過去にリコール隠しで死亡事故も発生

三菱自動車工業と2003年子会社化されたトラック部門の三菱ふそうは、2000年及び2004年に乗用車部門と中型・大型トラック部門でリコール隠しが発覚し、一連のリコールに絡んで2件の死亡事故が発生している他、2005年2月に軽自動車用の3G83型エンジンのオイル漏れの不具合を把握したにもかかわらず、分析及び原因究明等の対応が不十分であったため、最初の不具合情報を得てから2010年11月に最初のリコールを届け出るまで5年以上を費やした過去がある。

悪しき伝統を持つ体質

リコール隠しの際は、当時資本提携関係にあったダイムラー・クライスラーから提携を解消され、存続が危ぶまれる程の危機に陥ったが、最終的に三菱グループが総力で支援した経緯がある。 そのような会社の存続に関わる大事を経験していながら、四度不祥事を起こしたことから、コンプライアンス遵守の企業体質・風土は感じられません。三菱グループの中核企業三菱重工の自動車部門が独立して45年を経過し悪しき伝統だけが残っているようです。

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同一企業で再発する不正

一般に、企業が不祥事を発表するのは内部・外部告発によって隠ぺいが困難となった場合がほとんどで、今回の三菱自動車の発表も、日産が販売中止とユーザーサポートを検討し、三菱自動車が水島製作所の製造停止を決定した後のタイミングであることから相当前に発覚し、提携関係にある日産との絡みも有って隠ぺいが困難で有ったため公表に及んだもので、依然として三菱自動車の隠ぺい体質は払拭されていないと窺われます。 また、三菱自動車に限らず不正や事故を起こす企業はコンプライアンスに問題を抱えていることが多く、二度三度と繰り返す傾向が有ります。東芝にしてしかり、田辺三菱製薬(旧ミドリ十字、旧三菱ウェルファーマ、)、化血研等々。

海外自動車メーカーの不正

燃費の偽装については、2012年11月に米環境保護局(EPA)によって、韓国の現代自動車と系列の起亜自動車が2010年から米国で販売した約90万台の車について、新車に貼られるラベルの燃費が誇大表示されていたと公表され、2014年に現代自動車が当時の為替レートで400億円を米国に支払うということで和解が成立しています。 また、最近ではフォルクスワーゲンの排ガス規制を逃れるため違法ソフトウェアを搭載する不正問題が有りましたが、競争社会とは言えデータの改ざん・偽装でごまかしても、いずれ発覚し、却って信用を失うことになるのですが・・・