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僧侶と漫談師の二足のわらじを履く甘味けんじ

お坊さん漫談師甘味けんじのいでたちは袈裟をまとった住職姿

れっきとした真言宗の僧侶でありながら、寄席の舞台では村田秀雄ならぬ「皆の宗」の宗祖の甘味けんじさんは、住職姿で漫談をする異色の存在です。仏教の勉強を始めたら、本当のお坊さんになってしまったそうです。

活動は都内の寄席と高齢者施設・刑務所の慰問

寄席は、新宿の末廣亭、浅草の東洋館や木馬亭が主ですが、寄席の他に高齢者施設や刑務所の慰問もされているようです。漫談は、最初の5分はお坊さんらしく法話・説法を説き、残りが漫談です。職業が僧侶と漫談師ですから、それに合わせて内容も法話と漫談というわけです。

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きっかけは葬儀場の園芸イベントのしおり

仏教に全然興味は無かったそうですが、15年ほど前に葬儀場で行われた演芸イベントで会場に置いてあった「葬儀のしおり」という冊子を手にしたのが始まりだそうです。ただ、内容に興味が湧いたのではなく、「お葬式の司会でもしようかな」と思ったのがきっかけだそうで、あくまで飯のタネと考えていらっしゃったんですね。

修行して僧籍を取得した本物の僧侶

その後、本を読んで仏教に対する見識を深め、千葉県や埼玉県などのお寺で修行したのち、弘法大師の足跡である四国88ヶ所の札所を全て回ってから、弘法大師が「入定」された高野山にも行って満願成就。2012年12月には、広島県呉市の真言宗呉成田山不動明王院で僧籍を取得しています。僧名は、本名の伊集院弘仁と一字違いの伊集院延弘です。

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僧侶としての活動

声が掛かれば読経も可能

僧侶の資格を持ったお坊さんですから、お声が掛かればどこでも読経に赴くとのことです。戒名で院号がある場合に多額の費用が掛かるのはおかしい、と葬式仏教に疑問を持っているようなので、お布施の金額には拘りは無いようです。「昔、お布施は野菜やお米だったのに、いつの間にか、カネ、カネということになって。ただ、よけいな気を使わせてしまってはいけないので、電車賃だけはいただいて帰ります。」とのことです。真言宗の信徒で菩提寺が無い方は声をかけてみたらいいかもしれません。

第18代「ザ・テレビ演芸」のチャンピオンの実力

甘味けんじさんは、鹿児島県の沖永良部島の出身で、18歳の時にコメディアンを目指して上京。「Wけんじ」の東けんじさんに弟子入りしたのち、1978年にデビューした。宮城けんじさんの付き人だったふじ健介さんとコンビを組み、漫才やコントで活躍。83年にはテレビ朝日の「ザ・テレビ演芸」で18代のチャンピオンに輝いている。

出典元:夕刊フジ