宇多田ヒカルの楽曲4月からスタートするNHKの2016年上半期の「連続テレビ小説」(通称:朝ドラ)『とと姉ちゃん』の主題歌を2010年の「人間活動」宣言以降活動を休止している宇多田ヒカルが担当することが発表されました。同時に、休止していた音楽活動を、これを機に活動再開するということで宇多田ヒカルファンにとっては朗報です。

宇多田ヒカルのNHKへの楽曲提供は、2006年にNHK「みんなのうた」で「ぼくはくま」を提供して以来となり、ドラマへの楽曲提供は初めてとなりますが、NHK以外では2012年にアニメ「新世紀ヱヴァンゲリヲン」劇場版に主題歌を提供しています。なお、今回提供の主題歌の曲名は現在のところ明らかになっていません。
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NHKが、宇多田ヒカルの楽曲提供を発表した日に、宇多田ヒカル自身も発表に合わせるように「今、ちょうど曲の真ん中辺りの歌詞残り1行を絞り出そうとしているところ」とツィートしており、順調に進んでいることが窺われます。

しかし、活動休止中で復帰宣言もしていないなか、宇多田ヒカルにオファーを出したNHKの勇気といいますか、無茶振りには驚ろかされます。しかし、昨年12月には、一部の報道で2016年の春に音楽活動を再開すると報じられたものの、宇多田ヒカルの実父で音楽プロデューサーの宇多田照實氏が、「ガセネタ」として強く否定した経緯がありますが、NHKのオファーが漏れていた可能性があります。

楽曲を提供する『とと姉ちゃん』は、生活総合雑誌『暮らしの手帖』の出版元である「暮らし手帖社」の創業者大橋鎭子の人生と天才編集者花森安治との雑誌出版の軌跡をモデルに、原作無しで脚本を西田征史が担当したオリジナルフィクション作品です。『暮しの手帖』は消費者目線で長期間商品の使用実験や検証を繰り返すユニークな雑誌で、また、中立性を維持するために企業広告を掲載しないという独自スタンスを保ちつつ、現在に至るも発行され続けています。なお『暮しの手帖』の表紙画は、創刊号から死亡する直前の第2世紀52号まで、全て花森安治の作画によるものです。

ヒロインはモデルとなった大橋鎭子の役名小橋常子をNHKの朝ドラ「ごちそうさんで」でNHKファミリー入り?し、舞台・映画・テレビで人気活躍中の女優で歌手の高畑充希がつとめ、花森安治をモデルとする花山伊佐治役を唐沢寿明が演じる他、西島秀俊、向井理、大地真央、片岡鶴太郎、秋野暢子などの豪華キャストとなっています。

ドラマは、原作本が無く細かいストーリーも明らかになっていませんが、父亡き後の家族を守るために奮闘する女性の戦前・戦後の激動期が舞台であり、「おしん」を彷彿させる感動と涙のドラマに仕上がる可能性があります。