赤ワイン

フランスのボルドー大学病院センタ―のジャンマルク・オルゴゴーザ教授の研究グループが行った疫学調査で、毎日400mlの赤ワインを飲み続けるとアルツハイマー型認知症の予防に効果があることを突き止めています。

65歳以上の約3,800人の高齢の調査対象者を数年に渡り追跡調査をしたところ、毎日赤ワインをグラスで3~4杯飲んでいる人の場合、赤ワインを全く飲まない人と比べてアルツハイマー型認知症の発生率が、わずか1/4に留まっているということです。

また、日本でも名古屋市立大大学院の岡嶋研二教授(展開医科学)のチームが、赤ワインが、記憶に関わる脳の神経細胞の数を倍増させ、認知能力を高めることが、動物実験で分かっています。白ワインでは効果がなかったということです。

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岡嶋教授のチームは、赤ワインに含まれ、心疾患減少に効果があり坑酸化物質でもある「レスベラトロール」というポリフェノールの一種に注目して、マウスにレスベラトロール含有量の多い赤ワイン0.2mlを毎日、3週間にわたり飲ませた。 その結果、脳の中で記憶をつかさどる「海馬」と呼ばれる部分の神経細胞が、「レスベラトロール」を与えなかったマウスに比べ2倍に増えていました。

迷路でゴールにたどりつく時間も訓練開始から5日目に、飲まないマウスに比べてほぼ半分になりました。白ワインを与えたマウスは、いずれも与えなかったマウスと同じ結果でした。

効果がどこまで継続するかはこれからの課題だが、持続して摂取する必要があるという。さらに、胃が受けた刺激を脳に伝達する物質の機能を失わせたマウスでは、レスベラトロールを飲ませても脳機能改善の効果は認められず、レスベラトロールが、伝達物質を通して脳に影響を及ぼしていることが確認出来ました。

レスベラトロール濃度が高いのは、フルボディーや色の濃いタイプの赤ワインという。レスベラトロールは、赤ぶどうの果皮、ピーナッツの渋皮、イタドリ(スカンポ)に多く含まれるポリフェノールで、痴呆症予防の他、癌予防、糖尿病予防にも効果が有ると言われています。

しかし、アルコールの過剰な摂取は肝臓への悪影響もあり、飲み過ぎないでほしい」と話しています。